2012年4月18日水曜日

ふきのしんせき

White Butterbur by i_noriyuki
White Butterbur, a photo by i_noriyuki on Flickr.

 花を見れば一目瞭然、蕗ではありません。かてて加えて、イギリスの在来種ではなく、スカンジナビアあたりから持ち込まれたもののよう、おまけに、花の形が本来の崩れた形でなく、たぶんこちらの在来種との雑種のように思えます。そういうことを離れて眺めると、花はそれなりにかわいらしくて、清楚な感じすらします。
 こんなものを取り上げたのは、摘み菜の楽しみがないこの国の、味気ない春の山歩きの鬱憤晴らしです。ただ、その気になればこの蕗もどき、味と香りは蕗と同じで、茎が細くて皮むきとあく抜きに手間がかかることを厭わなければ、ちょっとした一品に加えることができるのです。ただし、野原に生えている植物を採集することは禁じられているようで、どうしておまえが味と香りがいいなどと知っているのだ、というようなことは聞かなかったことにしてください。

2012年4月13日金曜日

しつかん (質感) ??

Why here??? by i_noriyuki
Why here???, a photo by i_noriyuki on Flickr.

 写真と標題にはなんの関係もありません。この頃気になる新語の一つとして取り上げました。知ってる人は知っているかも知れませんが、最近、ちょっとカメラにとりつかれ始め、いろいろと情報が載っているウェブサイトなどを渉猟しています。そういうときに、カメラやレンズの褒め言葉として使われているのがこの言葉。日本国語大辞典を見ると、60年代の始め頃から小説で使われ始めたもののようですが、今はこれなしに何事も語れないくらい、超大人気の(古くてすみません)言葉になっています。
 ところでその意味は、というと、「材料が持っている感じ」、という定義にとどまります。ああ、やっと分かりました、感じです、感じ。中学校のころはやったフィーリングというやつで、これが漢語になって広がっているんです。「ものの感じをうまく表現している」と書けばいいものを、「質感」と書けば、意味深い、高級な感じがする、ということですね。これとよく似たのが「立ち位置」という言葉。立場、じゃないんです。立っている位置?物事が何らかの状況や社会的な立場、役割の中に占める位置、とでも書き換えればいいんでしょうか。これはまだ、辞典類には記載がないのではないかと思うんですが、もう、明鏡あたりが取り上げてるかな。もっともらしい、意味深げな言葉で、でもよく考えるとたいした意味がない、という点で共通しています。
 さて、ここに載せた写真は、ゴミでも金属と一緒に詰め込まれると、それなりの「いい感じ」がするなあ、と思って撮ったものでございました。お目汚し、ご容赦を。