2012年1月3日火曜日

あけましておめでとう

 残念ながら元旦の夜明けではありません。二日の午後3時,でももう西日は沈みかけていました。

 ここは,ロンドンから東へ電車で一時間半, Kent 州のWhitstable という漁港のある町で,冬場の牡蠣が有名です。観光地としても知られているものの,南のBrightonのような大仰さはありません。ハイストリートに並ぶのはほとんど地元の小さな店ばかりで,我々が遅い昼飯を求めて入ったところもSamphire という間口の狭い,地味でしかし奥行きは意外にあるレストランでした。実は,ここにきた目的の半分は生ガキにあったのですが,いかんせんこの店のメニューにはなし。薫製の鮭を焼いたものを注文しました。これが味はなかなかで,あとで連れが調べたところ,地元では2番目に評判の良い店であったことがわかりました。一番目は,どういうわけかインディアンで,牡蠣料理の専門店ではないのが腑に落ちない。

 この日は、昼過ぎに浜辺に着くと、幸運にも引き潮の時間帯で、汀は遠く沖まで伸びていて,さあ,2,300メートルはあったでしょうか,足下に注意しながら石ころのむき出しになったところを歩きました。風は冷たかったけれど,めったにない晴天,寒さも感じない。空は灰色がかった薄い碧で,イギリスでは奇跡的に雲もほとんどみられない、ここのところの雨続きで空気が澄んでいるのです。人影も少ないなか、さすがに,靴の中が冷たくなるのを我慢する根性もなくて,水際までは行きませんでしたが,どんどん歩いても果てがない感じがしました。さて,この足下を見ながらよたよたと歩くというのは,それはそれでいいことがあるもので,落ちているものに目がいきます。白い貝殻がまず,次いで魚の死骸やカニの殻,殻だけではなくて、ごろごろと大きな石ころのように転がっているのが牡蠣。石が(石にか?岩では無いのがみそ)へばりついているのを見つけて拾い上げ、上から落とすと貝だけが残りました。確かめると,しっかり中身が入っています。一つ二つ拾ってから,入れ物が無いことに気づき,ぬれた手で写真を撮りながら進む愚かさにも意識が向かったので,ひとまず陸地に戻りました。

 この日の収穫は大振りの牡蠣十数個と赤貝に似たCockles。家に帰ってから,干涸びたレモンの汁をたらして鮮度の良さを二人で楽しみました。海水の味がしたような気がしました。

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