岩波新書から、水谷静夫著の本が出ていましたので、さっそく買って読みました。一番印象に残ったのは、親書の帯についていた著者の近影です。1926年生まれとあるから、自分の母親と父親のちょうどあいだあたりのご年齢で、ああ、二人とも生きていたらこんな顔をしてるんだろうか、とつくづく眺めてしまいました。
文章は、講演録を起こしたものとはいえ、しろうとに飲み込みやすいものではなく、内容的にも、最近の日本語の変化を捉え返すにとどまらないで、日本語研究者の動向にも厳しい目が注がれているものでした。文法論の再構築の試みの一端を紹介するこの本の掉尾(ちょうび)が一番の関心事でした。なお、「おぼめかす」という語は、この本で初めて目にしました。調べてみると、源氏物語にも用例があるんだとわかりました。なるほど、確かに日本語はそういう方向に曲がって行きつつあるんだろうな、と改めて、ため息。
写真は我が家の(もと)大家さん(ついこないだ引っ越しました)、93歳の誕生会での写真。
2011年7月12日火曜日
『曲り角の日本語』
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